被災地へ本を送らないで!
令和6(2024)年能登半島地震に際して、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。私たちが日常の快適さに浸る一方で、被災地の人々は未だに困難な状況に直面しています。
私たちおおさか書房は、大阪・枚方市にある古本店で、地震発生時、私たちも長い横揺れに見舞われました。幸い、当地域では大きな被害はありませんでしたが、被災地の皆様の状況を思うと、何かお手伝いをしたいという気持ちに駆られます。
最近、公益財団法人「日本図書館協会」(JLA)からの重要な呼びかけがありました。「被災地へ本を送らないでください」というこのメッセージは、多くの人々にとって意外なものかもしれません。私たち古本を扱う者にとって、本は知識や慰めの源です。しかし、被災地での実際のニーズとは異なることが多く、本がかえって負担になることもあるのです。
過去の災害、例えば阪神・淡路大震災や東日本大震災の際にも、多くの本が被災地に送られました。しかし、これらの本が適切に活用されることは少なく、むしろ避難所や被災地の運営に負担となることが多かったのです。本の寄付は、読書ニーズのミスマッチや置き場所の不足、保管・処理の困難さなど、さまざまな問題を引き起こしました。
図書館協会は、被災した図書館への支援を検討している人々に対しても、本の送付を控えるよう呼びかけています。代わりに、被災地の支援には「長期的に興味を持ってエールを送り続けること」が重要だとしています。被災地の方々が必要とするのは、時として物質的な支援だけでなく、心の支えとなる言葉や行動かもしれません。
私たちおおさか書房としては、この呼びかけを真摯に受け止め、被災地の皆様が本当に必要としているものは何かを常に考え、適切な支援を検討していきたいと思います。今は物資としての本が必要ではないかもしれませんが、将来的には図書館や学校などが再建され、本の需要が再び高まる時が来るでしょう。その時が来たら、私たちも何かお手伝いできることを模索します。
最後に、被災地の皆様が一日も早く安心して生活できる日が来ることを、私たちおおさか書房はこれからも被災地の皆様を支援し、一人でも多くの方々が元の生活に戻れるよう願っております。
店主
以下は一部抜粋です。
“公益財団法人「日本図書館協会」(JLA)は「緊急支援物資などで、被災地、特に避難所に直接、本を送ることはやめましょう」と呼びかけている。日本図書館協会が、一般を対象にこうした呼びかけをするのは初めて。
日本図書館協会によると、阪神・淡路大震災や東日本大震災では、被災地に本が送られたが、置き場所に困ったり、読書ニーズのミスマッチなどが起こり、廃棄せざるをえないケースもあったという。
日本図書館協会は1月11日、公式サイトで「被災した図書館へ支援を考えている皆様へ」という文書を公開し、本を送らないよう呼びかけるとともに、被災地の支援には「長期的に興味を持ってエールを送り続けること」が被災地の励みになるとしている。”
参考文献 能登半島地震「被災地に本を送らないで」